Absolute truth
僕のもの。
ああ、愛おしい玩具。
Absolute truth (絶対の真理。君を高らかに謳おう)
テレビの画面に灯りが点る。
映し出される光景。一人の仮面の男。真実の鏡のように、清らかに誇らしく、叫ぶ男。
その仮面に隠された顔を、自分は知っている。
何故ならば、仮面を暴いたのは他の誰でもない自分なのだから。
「ゼロって、面白い奴だよな」
ぴくり、と鋭く反応し、背後を振り返る。
同僚のジノが、笑んだ表情で立っている。
温かく、清々しいほどに親愛に溢れた笑顔。
こういった、何の目的もない善意を向けられるのは苦手だ。それに必要なものでもない。眼を背け、もう一度テレビへと視線を映す。
少しこもってはいるが、その声は、その声は……きっと知っている。
彼以外に、有り得ないのだから。自分と同じ革命の目的を持った、一人の少年。
もし、その意志を引き継ぎでもして、二番目≠ェ現れたとするならば。
間違いなく、躊躇なく、殺してしまう。引き裂いて脳漿をぶちまけて殺してしまう。容赦なく微塵に斬りつけて殺してしまう。
彼の意志は、全ては、まぎれもない自分のもの。
他の誰かが奪おうというならば、許しはしない。
「なあなあスザク、お前はゼロの正体知ってんだろ。こっそり教えてくれよ」
人好きのする笑顔。彼だったら浮かべることのない、警戒を知らない柔らかい表情。
出逢いは決して良いものではなかったかもしれないけれど、分かち、支え合い、歩いてきた少年。最悪の恋人。最高の敵。
「……どうして?」
無表情に問い返す。ニッと、ジノは特有の笑みを浮かべた。
それは、一年近い付き合いの仲だからこそ分かる、心底楽しんでいる♀轤セった。
「俺、あいつに興味があるから」
「あいつ?」
「ゼロに」
あいつ、あいつ、あいつ、あの子。
愛おしい愛おしい玩具。
捨ててはいない。無くしてもいない。まだこの手の中で、眠っている。
ああ、君が起きる時は、必ず、傍にいるのは一人だけ。他の誰も許さない。
大切な大切な大切な大切な……
「ごめん、ジノ」
どうかまだ潰れずに。
どうかまだ壊れずに。
「あれは俺のものだよ」
どうかまだ、愛おしい彼のままでいて。
色々と矛盾点がありますが……。
かなり短いです。お粗末!